この一冊は、どんな漫画か
想いを寄せるアルクの前では可愛らしい少女リリィが、その裏に嫉妬を抱えているダークファンタジーです。籠を抱えたまま立ち止まったリリィが、アルクにかけられた呪いの話を聞いて目を見開くコマがあります。彼の前で見せる顔と、その裏にある感情との落差が、この一コマにはっきり出ています。
この漫画の面白さは、リリィという一人の少女の中に、アルクへの一途で可愛らしい姿と、嫉妬に塗れた姿が同居しているところにあります。アルクの前で見せる可愛らしさが丁寧に描かれているからこそ、その裏の感情がのぞいたときの落差が大きくなります。そこに重なるのが、ゴブリンによる残酷で冷徹な展開です。この残酷さはその場の刺激で終わらず、練られた筋へとつながっていきます。
一方で、残酷な展開と濃いH描写がはっきり含まれているため、そうした描写が苦手な方には読み進めにくい作品です。リリィの落差を味わうには、その重さも一緒に受け止める必要があります。
無料で読める1巻は、王都でアルクの呪いを調べ始め、リリィの周囲にも不穏な動きが起きたところで本編が終わります。巻末には、リゼッタの追加場面を描いた描き下ろしも収録されています。残酷な展開と濃いH描写を含むダークファンタジーを楽しめる方に向いた一冊です。
こよいの一言
1巻を読んだ編集長の、結論。
一途な少女の可愛らしさと嫉妬を、同じ一人の中に置いて描いているところに、この作品を読む価値があります。アルクの前での顔が愛らしいほど、裏の感情が怖くなる。リリィの想いがこの先どんな事件につながっていくのか、続きが気になります。
選・文今宵の一冊 編集長 こよい
この一冊、誰かに教える
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