この一冊は、どんな漫画か
女性だけが異能を持つ魔都で、戦う力を持たない少年が最強の部隊長と主従の契約を結び、戦場に立つ漫画です。負傷した姉の八千穂をかばって前に出た日万凛が、ガトリングを構えて「妹だって姉を守れるんだから!」と言い切るコマがありました。
この漫画がいちばん面白いのは、異能に付いた制約を、そのまま駆け引きの材料にしているところです。時間を止める、空間をいじるといった強い力ほど使える条件が細かく決められていて、誰がどの条件をいつ満たすかを組み立てて相手を追い詰めていきます。単独で撃ち合うのではなく、制約を抱えた者同士が順番を合わせて連携するので、戦闘が力比べではなく段取りの勝負になっていきます。しかも戦いが勝ち負けで終わらず、戦った本人たちの関係を動かします。日万凛と八千穂の姉妹は、並んで戦ったあとで互いの見方が変わっていて、守られる側だったほうが前に出るようになる。次の戦いに入るときの気持ちが、前の戦いから地続きになっています。
重い場面の途中にサービス描写が入るところでは、読んでいて何度か流れが止まりました。人体実験の場面や、姉弟が向き合う場面のように、ここは黙って見ていたいと思う数ページにも同じ調子で挟まれるので、受け止めかけた感情がそこで切れてしまいます。
5巻まで無料で読めますが京香と優希が因縁のある土地を調べに行き、人型の敵と、意外な人物の影が現れたところで終わります。主従の関係と七番組の顔ぶれの紹介は一度まとまるのですが、最後に敵の正体と優希の過去へつながる引きが置かれているので、ここで止めるのは難しいと思います。派手な能力バトルと、強い女性キャラクターがそろっている話を読みたい人に向いています。
この一冊、誰かに教える
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