この一冊は、どんな漫画か
怪獣との戦いを宇宙で生き延びた少年・鉄男が、雪に覆われた地球へ帰ってくるSFです。壮大な設定のなかで目を引くのが、友達の作り方の本を頼りに、鉄男が目を見開き、歯を見せて笑顔を作ろうとするコマです。友達を作りたい一心なのに、その顔はどう見てもぎこちなくなっています。
この漫画の面白さは、世界の大きさと主人公の悩みの小ささが、同じ1巻の中に並んでいるところにあります。物語は宇宙での怪獣との戦いから始まり、鉄男が帰り着いた地球は凍りついています。この世界に何が起きたのか、読み進めるほど分からないことが増えていき、その広がり方にワクワクしました。その一方で、鉄男は友達を作りたくて空回りしています。怪獣との戦いを生き延びた少年が、友達の作り方の本を頼りに笑顔を作っている。その落差に、思わずクスッとしました。
物足りないのは序盤です。今どういう状況なのかをのみ込ませるための説明がやや長く、読んでいて飽きそうになりました。設定の大きな作品なので説明が必要なのは分かりますが、鉄男の空回りが見え始めるまでのあいだは、話がなかなか前に進まないように感じます。
無料の1巻は、目の前の戦いがひと段落し、凍った地球の謎がさらに広がったところで終わります。本棚に並べて買い続けたいと思えるほど、この先の展開が楽しみです。SFらしい大きなスケールと、不器用な主人公の人間味を、どちらも楽しみたい人に向いています。
この一冊、誰かに教える
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