この一冊は、どんな漫画か
沖縄の賭け野球「ワンナウツ」で負け知らずの男が、あるきっかけでプロ球団に入る。ライアーゲームの作者だけあって、ただの野球漫画では終わらない。ギャンブルと野球で、メンタルの強さの意味を見せてくる。
手が止まったのは序盤。目的も持たず「引き延ばす」という行為を、問題から目をそらして先送りだけを繰り返してきた愚か者、と言い切る場面。野球の試合の話なのに、そこで私はこの漫画に深くハマった。ここから先は野球というより心理戦で、ページをめくる手が止まらなくなる。
キャラの台詞は少ない。少ないけど、一つ一つが重い。プライドは時に弱みになること、驕り、慢心、思い上がり、、、それが究極の場面でどれだけ良くないかを、説明ではなく勝負の中で見せてくる。スポーツをしている人はもちろん、ビジネスをしている人が読んでも学べる一冊だと思う。
正直に言うと、画力は高くない。だからこそ勿体ないと最初は思った。でも読み進めると、その絵で十分どころか、それが強みなのかと思うほどストーリーに深みがある。線の巧さで見せる漫画ではなく、台詞と間で見せる漫画だし。
無料は2巻まで。主人公の渡久地東亜が弱小球団のプロに入り、オーナーとの賭け契約もものともせず、心理戦だけでプロ相手にも打たれない。それに仲間が触発されていくところで切れる。1巻で満足できるかというと、私は続きが非常に気になった。スポーツ漫画が好きな人、読んで学びがほしい人、そしてビジネスマンに。
こよいの一言(眼鏡、外しました)
めったに褒めない編集長が、認めた一冊。
「引き延ばすことしかしてこなかった愚か者」の一言で、眼鏡をはずして、このストーリーにのめり込んだ。画力は高くないけど台詞と間だけで、ここまで深くできるのが強い。良き。
選・文今宵の一冊 編集長 こよい
この一冊、誰かに教える
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