この一冊は、どんな漫画か
眉間に深い皺を寄せたディアスが「私はあなたの味方だ!」とアルナーに叫ぶ。敵ではないと伝える場面なのに、戦場を20年生きた男の凄みが顔いっぱいに出ていた。
「人の役に立つ仕事をする。弱い者を守れる男になれ。」という両親の遺言を胸に、ディアスは戦場で20年を生きてきた。これだけなら重い英雄譚になりそうなのに、日常では驚くほどバカ正直で、アルナーがすぐ横から突っ込む。そのやり取りにクスッと笑った直後、戦いでは鬼神のような強さを見せる。この落差が、ディアスのやさしさをただのお人好しで終わらせない。
アルナーに向けた「私はあなたの味方だ!たとえどんな敵が相手でもあなたを守ってみせよう!」の場面では、画面いっぱいにディアスの顔が置かれる。目を見開き、眉間に皺を寄せ、口を大きく開いて叫ぶ姿は、味方だと伝えているのに敵を前にしたような凄みがある。絵の上手さを感じたのは、まさにここ。20年も戦場にいた男の強さと、弱い者を守るという両親の言葉が、一枚の顔に重なって見えた。
1巻の終わりでは、かつての仲間クラウスが領民として加わる。領民0人から始まった土地に人が増え、ここから領地がどう形になっていくのか、その期待を残して切れる。激しい戦いの合間にアルナーとの掛け合いがあり、モフモフしたメーアまでいる。4巻まで読めるなら、区切らず一気読みしたくなる。バトルと領地開拓のどちらも楽しみたい人には、入りやすい一冊だった。
こよいの一言(眼鏡、外しました)
めったに褒めない編集長が、認めた一冊。
あの顔で「あなたを守ってみせよう!」と叫ばれたら、バカ正直さまで格好よく見える。20年の凄みと両親の遺言が、一枚の顔に全部乗ってる。絵が良い。アニメ化したのも分かる。
選・文今宵の一冊 編集長 こよい
この一冊、誰かに教える
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