この一冊は、どんな漫画か
ハードボイルドを貫く凄腕の殺し屋と、家にも学校にも居場所のない小学生の女の子。この二人の中身が入れ替わる。ギャグとして強いのは、入れ替わったあとの二人が、どっちも楽しそうなところ。
手が止まったのは、Jが自分の身体を外から眺めているコマ。闇社会でアンタッチャブルと呼ばれた孤高の殺し屋が、中身の入れ替わった少女に自分の身体でハードボイルドを演じられて、目を輝かせて見物している。クールで通してきた男が、自分を客席から見られる嬉しさで顔が緩む。この一枚で、この漫画の骨格が見えた。
逆にJの側は、賢い小学生にずっと振り回される。理詰めで手綱を握られていく感じが完全におじさんのそれだし、小学生の身体で家に帰れば教育ママが待っていて、殺し屋が叱られる。闇社会で恐れられた男が、リビングで小さくなっている屈辱。ここが一番笑った。
そのうえで、少女が動かすJの身体のアクションはちゃんとかっこいい。ギャグの絵でずっと転がしておいて、戦う場面になると線が締まる。緩急でごまかしていない。
1巻は、お菓子とジュースと睡眠だけの生活で引き締まっていた腹筋がポニョッと台無しになり、少女が毎日トレーニングすると約束するところで終わる。事件の途中でぶった切るタイプの引きじゃないのに、この二人のコンビがここから加速するのが見えてしまう終わり方。ヒナまつりが好きだった人、ギャグのセンスで漫画を選ぶ人、殺し屋ものと変わった設定に弱い人。そのどれかに当たるなら、1巻で止められるか自分で確かめたほうがいい。
この一冊、誰かに教える
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