この一冊は、どんな漫画か
地面に落ちたアイスが溶けている。その前でヤニねこが大粒の涙を流していて、大家さんが自分のアイスを差し出す。煙草と汚部屋の話の途中に、この一コマが来る。
猫の獣人が酒と煙草と汚部屋でだらしなく生きているだけの日常ギャグで、出てくるものも嘔吐と排泄物。それをかわいい絵柄で描く。この落差が狙いだというのは早い段階で分かるし、どこで笑わせにきているのかも迷わない。何をやりたい漫画なのか分からない、ということはまったくなかった。
私の手が止まったのは、その下品から一番遠い場面だった。落として溶けたアイスに泣いている猫と、それを見て自分の分を差し出す大家さん。ずっと同じ調子で笑わせにきていた流れで、ここだけ笑わせにこない。
ただ、私自身はこの1巻で気分が上がることがなかった。嘔吐や排泄物で笑いを取りにくる回が並ぶと、そこから先はもう受け取り手を選ぶ話になる。狙いが伝わることと、それで笑えることは別だった。合う人と合わない人がここまではっきり分かれる漫画も、そう多くはないと思う。
1巻は姉妹を扱った短編と、苗字をめぐる描き下ろしで一区切りつく。そのあとにゲスト漫画、2巻の案内、広告、奥付まで入っていて、無料の1冊としては中身が詰まっている。続きに引っぱるための強い引きで終わるタイプではないので、ここで一度きれいに切れる。
この一冊、誰かに教える
作品名とひとこと、リンクが入った状態で開きます。そのまま投稿しても、書き足しても。


