こよい 今宵一冊

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今日の一冊2026.08.24 月

「好きなことをする努力家はね 最強なんですよ!」と美術部の先生は言った。

『ブルーピリオド』

山口つばさ/19DMMブックスで第1巻まるごと無料
巻数
19
ページ/読了
227/約23分
評価
★4.46
レビュー
144
定価
¥792
今宵、これを。
いま無料

作品の表紙は、配信元の定めにより、そのままの形では掲載していません。実際の表紙はDMMブックスの作品ページでご確認ください。

この一冊は、どんな漫画か

学園もの前向きになる学びがあるアニメ化

美術部の先生が八虎に言う。頑張れないのは意志が弱いからじゃない、まだ努力したいと思えるものに出会っていないだけかもしれない、と。

私はこれを励ましとして読まなかった。許しとして読んだ。頑張れない側を責める言葉が一つも入っていないし、精神論にも寄らない。努力できる人間が強いのではなくて、好きなものを持っている人間が結果的にそうなる、という順番の話だけをする。漫画の中の台詞が自分の生活まで届いてくることは、そんなに多くない。

美術という題材を、感性や才能という言葉で片付けないのも良かった。絵の描き方には手順があり、見方には理屈があり、美大受験には制度がある。八虎はそれを一つずつ教わっていく側の人間だから、読んでいるこちらも同じ位置で説明を受けることになる。知らない世界の内側が開いていく漫画は、それだけで読む速度が落ちる。

1巻は冬期講習を終えたところで切れる。藝大を目指す人間がどれだけいるのか、その中で自分が今どこにいるのか、八虎が知らされる場面で本編が終わる。好きなものを見つけたばかりの人間に、いちばん見たくない現実を見せて1巻を閉じる。ここまでやられて、続きを読まない理由がない。面白い。

こよい
こよいの一言(眼鏡、外しました) めったに褒めない編集長が、認めた一冊。 八虎が冬期講習で受けている説明を、私も一緒にメモしたくなった。漫画を読んでいるのに授業を受けている、この作りが上手い。
こよい
選・文今宵の一冊 編集長 こよい

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