こよい 今宵一冊

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今日の一冊2026.09.13 日

悪人にとっての「悪夢」となり、罪と向き合う法学生の異能サスペンス。

『D.ダイバー』

森恒二/5DMMブックスで第1巻まるごと無料
巻数
5
ページ/読了
204/約20分
評価
★4.00
レビュー
1
定価
¥759
今宵、これを。

作品の表紙は、配信元の定めにより、そのままの形では掲載していません。実際の表紙はDMMブックスの作品ページでご確認ください。

この一冊は、どんな漫画か

サスペンスバトルミステリー学園ものスリル

カグラが持っているのは、悪人の夢に入り込んで、その人にとっての悪夢そのものになり、罪を吐かせる力です。ただ、読み終わって思い返すのは派手な戦いのほうではなく、河川敷の場面でした。自分のしたことで一人の男が死刑台へ送られると気づいたカグラが、膝をついて、青ざめた顔のまま吐いてしまいます。

この力には、うまくできているなと思う仕掛けがあります。夢の中で受けた攻撃が、そのまま現実の体に同じ傷を作ってしまうのです。ですから夢の中でどれだけ追い詰めていても、現実のカグラは血を流しながら立っていることになります。読んでいるあいだ、勝っているのか負けているのか分からなくなる瞬間が何度もあって、そこが面白いところでした。夢を埋める炎と黒い影の描き込みも重たく、悪人の内側へ踏み込むほど画面が暗くなっていくシーンは『ベルセルク』を思い出しました。

引っかかったのはカグラ自身のことで、なぜそこまでして悪人を裁くのか、1巻では何も説明されません。正義とか倫理とか、そういう言葉で動いている人ではなく、自分でも持て余している感情に押されているように見えます。先が気になる作りではあるのですが、カグラの隣に立てないまま1巻が終わってしまうのは、少しもったいなく感じました。

無料で読める1巻は、カグラとは違う力を持つ「黒い影」との対決が始まるところまでです。暗い異能戦と、すっきり割り切れない正義。その両方を面白がれる人に向いています。

こよい
こよいの一言 素直に褒めない編集長。眼鏡を外したときだけ本気。 悪人を倒す快感と、倒したあとに残る重さを、1巻の中に両方詰め込んだ漫画です。そのぶん後味は苦く、読み終わってすっきりはしません。今の時点で読ませているのは設定の強さのほうで、カグラという人物はまだこれから。ここを描き切れたら、もっと良くなる作品だと思います。
こよい
選・文今宵の一冊 編集長 こよい

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